宇宙葬ひとりで星になるならばそれもいいかとぬか床混ぜる

日常から、とんでもない妄想まで。メンタルちょっと弱めです。

靴屋さんの歩き方教室

ご存知の人がいるかどうかわからないが、私は、MBTという靴に興味を持った時期があった(あえてリンクは貼らない)。

MBTはどういう意味かというと、確か、マサイ・ベアフット・テクノロジーということで、アフリカのマサイ族の人が裸足で歩く歩き方を研究して、その歩き方ができるような靴を開発したということなのだ。

私が独身の頃住んでいた町に、小さな靴屋があって、その、MBTの靴を扱っていたのだ。その靴屋は、「足にいい靴」の販売と、リフレクソロジーと、巻き爪などの治療をしていて、めちゃくちゃウンチクのある靴屋だったのだ。

私は、たまたまその靴屋が、MBTの靴を扱っていることを知って、その店に行ったのだが、その靴が、めちゃくちゃ高くて、確か、3万円くらいした。さすがに、いきなり3万円は出せなくて、靴をジーッと眺めていたら、無料の歩き方教室がありますよ、と誘われたわけだった。

日曜日の午前中かなんかに、歩き方教室はあった。明るくて背が高くてカッコいい女の先生が、正しい歩き方や、姿勢や、疲れた時の足の揉み方などを教えてくれる。そして歩き方教室の終わりに、靴屋さんが来て、3万円の靴を履かせてくれて、試しに歩かせてくれる。それは確かに、底の部分が、普通の靴とは全然違い、まるで分厚い砂の層を踏んでいるような感触だった。

私は何回も、その無料の歩き方教室に行って、最終的に、その3万円の靴を買ったのだった。

それからずっとその靴を履いていたのだけど、いつしか、その靴を履かなくなってしまった。結婚して、その靴屋さんのある町を離れたことも理由の一つだ。

もう一つの理由は、別にその靴を履かなくたって、「正しい歩き方」はできるんじゃないの?と思うようになったからだ。その、「正しい歩き方」は、その靴屋さんの歩き方教室で習ったものだ。毎回、必ず先生が言っていたので、覚えてしまった。

 

歩く時は、足のかかとから地面について、足裏を体重移動して、親指と人差し指の間のあたりで踏み切る。

 

たったそれだけのことなのだ。

 

私は、その歩き方教室に通っている間に、3万円の靴を3足買ったので、歩き方教室の授業料はめちゃくちゃ高かった。

金持ち〜とか言わないでくださいね。私は、服と鞄と靴にはお金をかける女なの。